子猫が初恋提供します。





夜を引っ張りながら入ったのは、入り口に“さくら公園”と書いてある小さな公園。



街灯は端と端に一個ずつ。遊具もブランコと滑り台、その下に砂場…それだけ。



「おっきいなぁ…」



だけど公園の隅には大きな桜の木が植えてあってベンチが置いてあった。…さくら公園のシンボルなのかなぁ。



夜の秘密の場所にもまけない綺麗で立派な存在感のある桜だった。



桜が枝を広げたその下は涼むのにぴったりな木陰。二人でベンチに座った。



夕方の公園はもう子供達も帰ってしまったのか誰もいなくて…チラリと横を向くと、隣で気持ちよさそうに桜を見上げる夜…。



そよそよと風が優しく吹き、夜の黒い髪がさらりと流れる。



目を細めて受けるその様は綺麗の一言だった。



…いけない、いけないっ。



うっかり見惚れて、あたしは途端に夜を意識してしまった。