絶対に社長は交際に反対して、
別れさせようと説得すると思う。


この事件がきっかけで
ファンが減るかもしれない。


なのに陽介は私のために…。


「ごめっ…ん。でもっ…。」


「泣くな!大丈夫。俺がなんとかするから。
そろそろだから切るよ?
話が終わったらまた電話する。」


「陽介!まっ…」


そこで通話は途切れた。


ゆっくりケータイを閉じて
大きく息を吐き出す。


私は、初めて『別れ』を意識していた。


別れたくはないけど、
陽介のこれからを考えるとやはり…。


どうしたらいいんだろう…。


さっきから降り続けていた雨は
さらに激しさを増していた。