「俺ん家くる?」

二人で他愛もない話をしていた時だった。
いきなりの発言に私は目を丸くした。

「え?でも…。迷惑じゃ…。」

「迷惑じゃねえよ。ここから近いし。
あと、ここら辺つまんないし。」

「じゃあ…。行きたい!
どんな感じの家か気になるし!」

そう言うと陽介はスッと立ち上がり
私に手を差し伸べる。

「よし!行こっか。」

私は差し伸べられた手を握り、
立ち上がり服に付いた砂をはらう。
冬空の下、肩を並べて
ゆっくり歩いていった。