月日は流れ――― 今日は、中学の入学式。 俺と楓は相変わらず昔のようにはなれず。 それでも、日々は流れていた。 「楓、一緒に行こう」 玄関で靴を履く楓を呼ぶと、俺を見て小さく頷いた。 数年ぶりに一緒に登校する。 それが、こんなにも緊張するのか……。 「楓と同じクラスかな」 「……多分、違うんじゃないかな」 「……だよね」 同じクラスだと、きっと楓は苦しむから……だから、違うクラスがいいよな。 真新しいセーラー服と学ランが、少し恥ずかしかった。 .