「荷物はこれだけか?」 「うん! もう無いよ」 玄関にダンボール5箱と衣類の入った大きいバックが一つ。 この荷物を車に運んだら……楓は巣立っていくんだ。 学生の頃と違ってほっそりとした楓の後ろ姿から目をそらし、時計に目をやる。 「……思ったより早く終わったな。 少し休憩するか」 「はーい!」 リビングの扉を開けて中に入ると、いつの間にか増えた緑が俺たちの疲れを癒してくれた。 ………桜舞う今日、 楓は彼方と住むため、この家を出る。 .