シン……
「……フ、ゥ…」
――良かった。
アイツはまだ、眠ったままだ。
「さぁ、今のうちに…」
俺は足音を忍ばせて息を殺し、目的を達成していった。
全て終わった後、部屋を出ようとした俺は、つい彼女の可愛い寝顔を見てしまい、気付くと。
ベッドに腰掛けて、額にキスをしてしまっていた。
ゆっくり体を起こすと、彼女は小さな声を上げながら、ゆっくり瞳を開いていく。
――よし、準備は終了してる。
頭でこれからの段取りを瞬時に計算して、彼女が俺を視界に入れたのを確認した時、
「おはよう、楓」
これ以上はないという甘い笑みを彼女に向けた。
……案の定、彼女は真っ赤な顔で固まってしまったけど。
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