ハチミツ×シュガー




 自分のマンションに着き、急いで駐車場に車を止める。そして足早にエントランスに向かい、オートロックを解除した。

 そしてエレベーターに乗り込むと、ボタンを連打してドアを閉める。


 そのまま目的の階に着くと、急いで降り、門扉を開けて中へ――…。




 ――が、只今……


 あまりの緊張に玄関のドアを開けれず、しばらく立ち尽くしてしまっている、俺。




 …もう、起きてるよな…。


 そのまま明日の朝まで寝ていてくれたら嬉しいんだけど…



「んな都合がいいわけ、ないよな…」




 小さく息を吐いてドアノブに手をかけると、静かに目を瞑る。


 皇から受け取った物は、胸ポケットの中。

 一緒に渡したい物は、大事にクローゼットの中に仕舞ってある。



 ……2年越しに、やっと渡せるんだ…。





ガチャ


「……ただいま…」


 気持ちを落ち着かせて、静かに中へ入った。