アイツは一瞬黙ったけど……それは、ほんの一瞬だけで。 すぐに「大丈夫」と返事をくれた。 ――私も話したい事があるから、と。 もしかしたら… 俺から、離れるつもりかもしれない…。 ――でも 逃がすつもり、ないけどね。 アイツの声を聞いただけで、どうしようもなく抱き締めたくなる。 その手に、 その体に、その唇に、 触れたくて―― もう、これはすでに末期だ。 アイツから、 離れられる訳なかったのに…… .