俺の言葉に、女は怒りを露わにした。



「……サイッテー…!」


 そう泣き叫んで、そのまま部屋を出て行く。






「はぁ…」


 ――疲れた…。


 ベッドまで歩いて行くと、靴も脱がずにそのまま倒れ込んだ。




 ――楓…


 お前がいい……。

 お前じゃなきゃ、ダメだ。



 ――今すぐ触れたい…


 この瞬間、

 傍にいて欲しいのに…。




「…かえで……」





 閉じた瞼の中に、愛しい女の姿を描きながら、


 俺は、深い眠りについた……。