「ん… お、願い…
私、もう――」
甘い声に、俺は女を見下ろすと…
「……やっと…私のものに…」
潤んだ瞳で、そう呟いた女。
「――は?」
俺の頭は、一瞬で、醒めた。
「誰が、お前のもんだって?」
俺の冷たい視線と低い声に、女も変化に気付いたのか、目を見開く。
「か…なた… だって、私と」
「勘違いするなよ」
女の瞳が、潤んできた。
……さっきとは、違う意味で。
「お前じゃなくてもいいんだよ、こんなの」
アイツじゃなきゃ、ダメだ。
「勘違いしてんじゃねぇよ、気持ち悪ぃ」
吐き気がする。
――自分に。
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