ハチミツ×シュガー




 私が涙を拭っている手を彼は急に力強く握った。


「な、によっ」


 私を見るその瞳からは、怒ってるのか悲しいのか、考えが読み取れない。



「――俺が楓を好きって……惚れてると思ってたのか?」


 そんなの…っ


「当たり前じゃない…!
 あんなに『楓』『楓』って!

 私だけじゃなくて亜衣だって田村くんだって、西城くんだって思ってたはず!」


 ――今更、何言ってるのよっ!



「何で…」


 ……は?

 真面目な顔で『何で』ですって――っ?!



「ふざけないで…っ」


 苦しい。


「あんな切ない顔で彼女をずっと見てきた癖に!

 『何で』?

 自分の気持ちに気付きもしなかったの?!」



 ――くやしい…!


 あの時からずっと私の時間は止まったまま。

 この4年、立ち止まったまま、動くことすら出来なかったのに!