ピピッ…ピピッ… 「……38.8℃」 皇が手の中の物を見ると、私の頭を撫でながら溜め息を吐いた。 私は朦朧とした目でそれを見てる。 「今日は金曜日だし、休んで寝てろ」 そう言って、優しくポンポンと頭を叩くと皇は部屋を出て行った。 『知恵熱』……きっとそれだわ。 ――なんて。 熱のせいか、気づかぬうちに、うつらうつらしながら眠りについていた――。 .