私を見下ろして薄く笑う彼は、“妖艶”という言葉がひどく似合う。 ――けど。 その瞳は、冷たい。 「私は、妹さんの代わりにはならないわよ?」 ――瞬間。 噛みつくようなキスをする。 「俺も、西城の代わりなんてごめんだ」 ――瞬間。 ……涙が、溢れた。 .