「如月 送ってく」
電話を切った後、すぐさまそう言って立ち上がり、私に手を差し出した。
あまりの早い行動に戸惑いながら彼に手を差し出すと…。
「ふっ 眉間にしわ寄せすぎ」
私の手を掴んで笑い始める西城くん。
――っていうか。
人の顔見て笑うって失礼じゃない?
私は腹立たしくて彼をジトーッと見つめるけど。
「悪い悪い」
……なんて。全く反省してない姿で謝ると、そのまま私を抱き寄せた。
「――からかわないでっ」
私は真っ赤な顔で、掴まれてない手でバシバシ叩くけど。
彼はケラケラ笑いながら私を抱きしめる手を緩めない。
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