「……俺が感じた違和感はそれか…」
隣にいる西城くんが独り言のように呟いたのを聞いて。私は静かに頷いた。
「私達は……誰よりも近くて、誰よりも遠い…。
普通の“兄妹”の距離が分からないの。
私も皇も、お互いの中にある距離が…」
私達の全てを、静かに聞いてくれた西城くん。
下を向く私にはその表情は分からないけど……
「――お前らは……
お互いを想いやってきたんだな」
彼の優しい声が、頭上から響いて。
「……っ」
その言葉に……我慢していた涙が溢れた。
「優しい兄貴と、優しい妹…。
幸せだな」
……優しく……優しく…。
一言一言を、大事に紡いでいく君。
君を好きになって、本当に良かった。
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