「へぇ――…」



 彼は呟きと共に……



――グイッ

「きゃあっ」


ガタッ


 私の両肩を痛いくらいに窓に押し付けた。

 あまりの痛さに目を開けると。



「……気に入らない。


 ――どんなキス、された?」



 あと1センチで鼻がくっついてしまいそうな距離に彼の顔があった。


 普通なら見とれてしまうような端正な顔だけど。

 彼の鋭い瞳に、ただ、固まってしまってる私。



チュッ…

「…んっ」


 そのまま、触れるだけのキスをしてくる。




「――…ムカつく」


 呟いた後、段々激しくなってくるキスに…涙が出てくる。



「……隙ありすぎでしょ…」


 最後にチュッと優しく触れた後、大きく息を吐くと、私を抱き寄せた。