抱きしめられて聞こえる、彼の胸の鼓動……。


 ドクン、ドクンと力強く…早鐘を打ってるみたい。




「――如月…」



 彼の声が、頭上から聞こえる。

 そのまま抱き締めた手をほどいて、私を見下ろした。



 私は静かに目を瞑り――…








「……斉藤と何があった?」



 もしかして……

 まだ気になってましたか…?