「――分かってるのに…っ

 ……嫉妬で狂いそうになる…!」



 綺麗な顔を歪ませる彼。


 その顔を見てしまった私の胸に、大きな痛みが走った。



「――私が好きなのは…西城くんだよ…っ

 西城くんがっ好きなの!」



 涙でグチャグチャな私の顔。


 それを見た彼の、震える手の力が……緩まる。




「――斉藤くんを…傷付けた私が!

 こんな…っ」



 そう言った私を彼は掻き抱くように、力一杯抱き締めた。



「――お前は誰にも渡さない」



 痛いくらいに抱き締める彼。




 離さないで……。



 もう…あんな悲しい別れなんてしたくない。