ツ――…


 聞こえるのは、機械音。




「――ふ……ヒック…」

「泣くな」


「……ひ、どい…っ」


「――如月…」



 後ろから抱き締めてる彼の腕を、思い切り押し出した。



「私の話なんて……聞いてもくれなかったくせにっ

 ――なんでっ!

 どうして私を揺さぶるの?!」



 涙が溢れ出る。

 もう、止められなかった。



ガタンッ


「――そんなの……
 好きだからに決まってるだろ!」



 そう叫んで。

 離れようとする私の両腕を掴んで窓に押し付けた。



「聞きたくなんてなかった!
 お前が片割れを大事にしてる理由なんて、知りたかねぇよ!

 アイツはお前の兄貴で、片割れで……そんなのっ分かってるのに!」



 苦しそうに叫ぶ西城くん。


 私の腕を掴む彼の手は、震えていた。