「――お前になんか……渡さない」 そう言った彼。 そのまま私を担いで歩き始めた。 「ふざけんなっ 彼方!?」 私は何が起こってるのか分からずに。 叫び声に、上半身を少し持ち上げて斉藤くんを見たら、小沢くん達に抑えられてた。 「――アイツを見んな」 低い声と共に、血の気が引く。 ……私 どうして彼に連れ去られてるの? 「西城くん…っ下ろして!」 ――どうして平気なの? あんな別れ方をしたのに…っ .