「――如月…?」 パシャ… 「あ…」 立ち止まったら、ダメ。 でも…。 彼の声に、足が止まってしまった。 水に足を浸して声の方を向くと、目を見開いて私を見る西城くんがいた。 「――如月っ」 後ろから、斉藤くんの必死な呼び声。 ――捕まっちゃう! 私は西城くんから目を逸らし、そのまま走った。 「…え…っ?健太ぁ?!」 「――お前っ」 小沢くん達の焦った声がする。 私は水に足を取られてうまく走れない。 「――待てってっ!」 「いやっ」 .