ハチミツ×シュガー




「――っぶな」


 泳げもしない私が、噴水に落ちることがどれだけ怖い事か。

 心臓バクバク言ってる私を、彼は咄嗟に助けてくれた。



「暴れんなよ」


 私のすぐ上から聞こえた斉藤くんの声。

 私は両肩を斉藤くんに掴まれて、彼のTシャツを掴んでた。




「ごめ……ありがと…」



 ――見上げたら……

 斉藤くんの顔がすぐ目の前にあって。彼の瞳が、私を見つめてた。



 ……見なきゃ、良かった。




「……如月…」



 彼の顔が、私の数センチ先にある。



「あ…っ」


 一歩下がろとすると、肩を掴んでる手に力が入った。




「如月…好きだ」