「――あとは…… まだ、聞きたい事ある?」 少し……声が掠れてしまった。 二人俯いてる。 ……けど、斉藤くんが頭を横に振ったのは気配で分かった。 ――正直、良かった。 これ以上話していたら、きっと涙が出てしまってたから。 外はすでに陽はなくて。 西の空が微かにオレンジがかってるだけで……東の空は完全に暗闇に染まっていた。 しばらく私達は黙ってベンチに座ってた。 ――沈黙を破ったのは、斉藤くん。 .