「西城から何かされなかったか?」 何か……。 「……何も? 西城くん今日授業受けてなかったし」 図書室で抱き締められました……。 「休みだったのか?」 「朝来たけど、すぐ教室出て行ったの」 『……逃げないで』なんて、あんな声で―― 「楓…?」 「――西城くんは……私に何をして欲しいんだろう……」 西城くんの、私を抱きしめる手が、震えていた。 「楓」 皇の低い声で、私の思考はストップ。 .