大音量とともに、本編が始まった。
この映画はアクションシーンが満載で、かなり評判の高い映画。
私は始まってすぐに、ストーリーに入り込んでしまった。
そんな私を見て、斉藤くんはクスクス笑ってる。
……でも、私は気づかない。
話半ばで主人公とヒロインのラブシーンが入った。
その瞬間。
隣の斉藤くんを思い出し、一気に恥ずかしくなる。
「――っ」
そんな私の心境に気づいているのか……彼は、私の左手を握ってきた。
――どうしよう…!
真っ暗な中。
スクリーンの明るさだけが、私達を照らしてる。
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