ハチミツ×シュガー




 逸らした先に、私を探している斉藤くんが目に入った。


 ……気付かれたくない。



「あ…っ じゃあ、私は…」
「――如月!
 もう始まるから早……く…」



 願いむなしく……


 斉藤くんが、私達に気づいてしまった。




「――ありゃ……修羅場…?」


 珍しく小沢くんが焦ってる。






「――行くぞ」



 俯く私の横を、何事もなかったように通り過ぎる西城くん。

 小沢くんも慌てて追いかけた。





「……如月…」



 斉藤くんの声に顔を上げると……



「行くよ?」


 弱々しい……悲しそうな笑顔で、私を見つめてた。