「ね、せめてジュースは私に買わせて?」 斉藤くんは最後まで嫌だと断ったけど、無理やり私のバックを持たせて待合いの椅子に座らせた。 「斉藤くんコーラだよね? すぐ戻るからっ」 そう言って、走ってレジまで向かう。 「コーラのL一つと、紅茶のM一つ。あと、このポップコーン下さいっ」 私がレジで会計をすまし、トレーを持った時。 「――如月?」 ……聞き覚えのある声に、一瞬、ポップコーンを落としそうになってしまった。 「小沢、くん…」 .