夏の暑さのせいか……それとも、彼の熱のせいか。


 うっすら額に汗かく。




「誰か残ってますか」


 いつもの図書委員の呼びかけに、小さく返事を返した。



 途端に背中に感じてた熱が離れて、一瞬、寂しく感じて……


「あっ…」



 ――気付けば。

 振り向いて彼のワイシャツを掴んでた。



 彼が、目を見開くのが分かった。




「――ごめんっ」


 自分でもよく分からない行動に一瞬、掴んだ手を放したけど。

 逃がさないとばかりに、彼は私の手を掴んだ。



「――如月」