元々学校からの距離が近い為、10分ほどでマンションに着いた。
車から下りて二人揃って、先生にお礼を言うと、先生もクラクションを鳴らして車を走らせた。
車が見えなくなって、私達も自動ドアの中に入っていった。
エレベーターの中、二人無言で乗り込む。
きっと皇は真弓からある程度聞いてるはず。
真弓は、何となくだけど……岬さんとの会話の内容を分かってる感じだったから。
私がどうやって皇に話そうかと悩んでいると、丁度エレベーターが目的の階に着いた。
「……楓。
とりあえず家に入って話を聞かせてくれ」
皇はそれだけ言うと、エレベーターから降りた。
私も黙って後に続く。
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