「くだらなくなんて……ない」
なんだろう。
最近の私はすぐ涙が出てしまう。
悔しくて……自分の弱さが、悔しくて。
唇を噛んだ。
「私はずっと皇に守られてきた。
皇だって辛かったはずなのに……今だって…!
……私の、せいで…」
「楓…」
涙がこぼれないように堪える私の姿に、真弓は何も言えなくなってた。
「楓まだか?先生待ってるぞ」
いつまでも靴を履き替えない私を、皇が覗きに来た。
「ごめん、すぐ行くから」
そのまま真弓に「ごめん」と一言だけ伝えて、皇の元へ走る。
真弓が私を見てるのを……背中で感じた。
.


