「如月さん大丈夫?
 車用意してるから送るわ」


 保健の先生が戻ってきて、車のキーをカチャカチャ鳴らしながら窓を閉めた。



「……はい。もう大丈夫です。
 お願いします」


 皇が私から離れて鞄を持つ。
 私もベッドから出て上履きを履くと、私の鞄を持った真弓が眉を下げて私を見ていた。

 私が鞄を受け取ると、


「帰ったら西城に連絡してやりな?
 あいつ、本当に心配してたからさ」


 柔らかく微笑んだ真弓。


 私は胸のモヤモヤのせいで、曖昧な笑顔になってしまった。





「行くぞ」



 ドアの前で待ってる皇と先生。


 真弓に、帰ったら電話してみると伝えて保健室を出た。