皇の声。 皇の、匂い。 皇の、温もり。 「皇…っ 私っ……わ…たし!」 必死でしがみつく私の耳元で、優しい、透き通るような声が聞こえた。 「大丈夫だよ。そばに、いるから」 ――ああ… やっぱりあなたは私の…… 「俺が守るから」 ――その優しい声に、涙が溢れ出る。 落ち着いてくる、心臓の音。 涙で歪んで見える皇の肩越しに…… 西城くんが出口に向かう姿が見えた――。 .