「今日もラブラブだね〜!」 「……真弓」 後ろからの茶化すような声に振り向くと、ニヤリと笑う真弓がいた。 「……相変わらずうるさい女」 眉間にしわを寄せながら、明らかに不機嫌な顔の西城くん。 「うるさいわね。とっとと先行きなさいよ」 シッシッと手を添えて、負けじと言い返す真弓。 「ね、二人とも早く行こう?遅刻になっちゃうから」 少しオロオロしながら言うと、二人顔を背けて静かに歩き始めた。 私は気付かれないように、そっとポケットに手を入れる。 カサリと、指先が紙に触れた。 .