「あっ…ほら…」 女の子の目に、まだ慣れない。 学校に近づくにつれ、好奇の目が私を俯かせる。 西城くんはそんな私にいつも、笑って手を繋いでくれる。 その瞬間。『大丈夫だ』と言ってくれてる気がして……安心出来るの。 「……信じらんないっ」 「西城くん……可哀想」 最近よく聞く、“可哀想”という言葉。 何の事なんだろ。 私はたまに耳にする一言を頭で繰り返しながら、靴を履き替えた。 .