蝉の鳴き声が響いてる朝。 夏の日差しのせいでこめかみにうっすら汗が滲む。 「来週からもう夏休みか……」 隣の西城くんが空を見ながら呟く。 私も一緒に空を見上げた。 「そっか……早いね」 あれから数日。 西城くんは皇と私の事には触れずに、いつも通りに過ごしてる。 「夏休み、どっか行くか?」 不意に、私を見てそう言った西城くんに 「……行きたい…」 素直に答えてみたりして。 「ははっ じゃあ、どこが良いか考えといて?」 笑顔で私を見る西城くんが、眩しくて。 静かに頷いた。 .