『――およめさん!』 二回呟いたら、魔法のように寂しさが吹き飛んだ。 私は嬉しくて、覚えたばかりの“指切りげんまん”を皇とした。 皇は車に乗り込み窓を開けると、 『やくそくだよ! “ゆびきりげんまん”』 叫んで、大きく手を振る皇。 私もせいいっぱい大きく手を振り、私達は別れた。 それから一年。 皇は私の家族になった。 ……“兄”として。 .