シン…


「お、はよう…」



 やっぱり、空気がおかしい。




「おはよう!楓」


 真弓が私の席の前にすでに座っていて、手を振ってる。

 私はホッとしながら席に向かった。





 さり気なく。


 本当にさり気なく、西城くんを探すけど。


 まだ登校してないみたいで席にはカバンがなかった。





「真弓、おはよう」


 私が席に着くと、真弓は体を乗り出してきた。
 あまりの剣幕に恐くて仰け反ると……


「ちょっと!
 昨日の西城からの呼び出しなんだったのよっ」


 あまりの声の大きさに、周りの話し声がピタリと止まった。