「――二度と、俺らに近づくな」 鋭い空気のまま、私の腕を掴み教室の戸を開けた彼。 丁度、真弓がトイレから戻ってきたみたいだけど、一言も話せない。 私に気付いたけと、彼の纏ってる空気で察知したのか、笑顔で手を振る真弓。 私は少し前を歩く西城くんを見た。 怒ってるようで、足早に廊下を歩く。 ……助けてくれた。こんな私を。 欲しいと……求めてくれた。 私は胸の高鳴りをそのままに、黙って彼について行った。 .