**********


「……本当に大丈夫か?」



 皇は珍しく、私のクラスについても自分のクラスに行かない。

 ……ていうか、遅刻になっちゃうよ…。




「皇、本当に大丈夫だから。ね?」


 いい加減、周りの視線も痛いし。




「……分かった」


 納得してない顔だったけど、私の頭を優しく撫でると、苦笑いを浮かべてやっと皇は自分のクラスへ向かった。



 昨日の事があるから正直、ずっと皇に居て欲しい気持ちもあるけど……。

 そんな事、出来るはずもないし。






ガラガラ…



 私は皇の後ろ姿を見送ると、意を決して教室に入った。