上半身をひねり、カーテンの隙間から見える月を見た。 月の薄明かりが部屋に差し込んで、なんとも言えない空間を作っていた。 隣で眠る皇の顔にも、薄く影が出来てる。 『かえでちゃん! かえでちゃんはボクのおよめさんになるんだ。 そしたら、ほんとうの“かぞく”になれるんだよ?』 ――あの時も、月が見ていた。 少年は 変わらず夢を見る…… 少女は この手を放すことが出来ない――… 私達は どこから間違えてしまったんだろう。 .