私は真っ赤になりながら口をパクパクしてしまう。 彼はふざけて「誘ってる?」なんて言うけど。 もう…。なんて甘い顔をするの? こんな表情なんて、しないじゃない? 私、本当の本当に自惚れちゃうよ? 「――ヒック…」 こんな私が西城くんを好きでいいなんて。 そんな夢みたいな事、思っちゃうよ? 「……泣くなよ」 困ったような……表情が見て取れるくらい分かりやすい彼の声に。 「――す、き…」 私の口から、素直に出てきた言葉。 .