「―――っ」 知らなかったのに。 彼の事なんて、何も。 ……なのに…… 知れば知るほど……もっともっと、好きになる。 ――そう… 私はまだ、彼が好き。 こんなにも好きで、胸が苦しい。 「如月…」 すぐ後ろから、斉藤くんのか細い声。 振り返ったら 「俺…分かった……」 そう言って、苦しそうな笑顔で、私を見た。 .