スタスタと、早歩きの彼に小走りでついて行くと、あまり人の出入りの少ない校舎に辿り着いた。


　午後の始まりのチャイムは、さっき鳴ってしまってる。



「西城くん…っ　どこに、行くの？」



　さっきから何度目かの質問。


　彼は答えるつもり無いのか、全て無視してる。





　しばらく歩いたら、ある空き教室に着いた。




ガラガラガラッ



　……やっぱり激しく開けるのね、西城くんは。


　ドアを開けると、彼はやっと今まで掴んでいた手を放してくれた。


　……が。

　ホッとしたのも束の間、早く入れと睨まれたので、慌てて先に中に入っていく。





　中は遮光カーテンのせいか真っ暗で。


「こほっ」


　……しかも、埃っぽい。




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