私達の教室がある3階につくと、まだ休憩時間のせいか、多数の生徒が廊下にいた。
「ねぇ。聞いてる?!」
まだまだ彼氏の愚痴が溜まっていた真弓がプリプリ怒りながら聞いてくる。
「あっ……聞いてる聞いてる」
慌てて真弓に向き直るけど。
真弓は眉間にシワを寄せながら、黙ってしまった。
……聞かれたかもしれない。
「……で、……らしいよ」
「ウソ〜!」
「何で西城くんがあんな子と?」
「……だから………でね」
廊下にいる女子の、ヒソヒソ話。
大体会話の中身はだだ漏れだけど。
「なんなの?あいつら」
彼女達を冷めた目で見ている真弓の声が、低くなる。
「――とりあえず、教室戻ろ?ね?」
真弓の静かな怒りに、私は慌てて腕を掴み、教室の中に無理やり彼女を押し入れた。
「――っ なんで楓があんな風に言われるの?!」
「わわっ声おっきいから!」
仁王様のような顔の真弓。
私一人じゃ抑えきれない!
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