皇が階段を上がり、私から離れて行く。
私はその後ろ姿を、静かに見ていた。
私達のやりとりを見てた真弓が少し考えながら
「ねぇ…。二人、なんかあった?」
鋭い質問をしてきた。
私は階段二段ほど上がりながら振り返り、
「別に。いつも通りだよ……?」
何でもないように答えたつもりだったけど。真弓は不審そうな顔してる。
……苦笑いになったかな。
「……ふーん。ならいいけどぉ!」
聞いても答えないと思ったのか、真弓は興味無さそうにそう言うと、私を追い越して先に行く。
それを見て、ホッとしながら私も後からついて行った。
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