ハチミツ×シュガー




「今まで西城の中で特別はいなかった。だから周りは安心してたのよ。
 そいつが、楓を特別にした。

 ……あんた、この意味分かる?」




 でも……それでも、どうしてもひっかかる。



「そんな事言うけど……私と西城くん、付き合ってないのよ?」


 私の言葉に、真弓を目と口を開いて黙る。




「……へ?」


「あはっ 真弓間抜けな顔!」
「ちょっ!えっ?!
 ……あんた達……付き合ってない、の?」


「もうっ やっぱり真弓早とちりしてた!

 西城くんから“好きだ”とは言われたけど、『付き合って下さい』なんて言われてないし。
 好きの意味も、もしかしたら違う意味かもしれないでしょ?

 きっと岬さん達も誤解したんだね」




 私も食べ終わったお弁当を仕舞う。





「ぷっ……あわれ、西城…」


 真弓が笑いを堪えながら呟いた。