ハチミツ×シュガー




「……あのねぇ、

 西城って男はあのルックスにあの頭脳、んでもってスポーツも出来ちゃうのよ。
 そんな男、女子がほっとくわけないでしょ?」


 食べ終えたお弁当を仕舞いながら早口でしゃべる真弓。


「まぁ、頭脳は皇くんには負けるけどね。

 んでもって、女には冷たい!
 学年1可愛い岬が近付いてもビクともしないのよ?
 それが一般の楓を『好き』なんて。岬のプライドズタズタよね〜」


 ……最後の方はニヤニヤしてる。
 真弓、性格歪んでるわ。



「でもね、『好き』なんて一言で…」

 あんなに敵意向き出しになるの?


「やっぱり楓はお馬鹿ね!」
「ひゃっ」

 いきなりバカ呼ばわりしながら抱き締められた。



「いい?
 うちの学校の1、2のイケメンが楓以外眼中無いのよ?」

「……皇は兄弟よ?」

「それでもっ!
 あからさまに楓は特別扱いじゃない?
 まぁ兄弟だから今まで何もされなかったけど。

 ……西城は、違う」