真弓が少しトーンを低くして顎で差した。
「……そう、だな」
西城くんは表情変えずに答える。
「――楓に何かあったら、私絶対許さないから」
大きな声でハッキリとそう言った真弓は、西城くんに、というよりも、クラス全員に言ったような形になっていて。
現に、みんな一瞬でシン…とした。
「奇遇だな。俺もだ」
しれっと言った西城くん。
真弓と西城くんで何か通じる物があったみたい。
真弓はニヤリと笑って「あらあら」なんて言ってる。
西城くんはまた私の頭を撫でて、そのまま席に着いた。
それからすぐチャイムが鳴り、慌てて机に教科書やらを出し始めた。
そんな時、真弓が後ろの席から西城くんと斉藤くんを交互に見てニヤニヤしてたなんて……知るはずもなくて。
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