「あれ? なんかめちゃくちゃガン見してない?」
「…う、ん」
真弓も気づいたのか、私にこっそり耳打ちする。
ガン見というよりも、睨みつけられてる。
私は日曜日の水族館での話を、まだ真弓に話していない。
「あれって……楓に?」
真弓が岬さんを見ながら疑問を投げかけると……誰かに頭を撫でられた。
………?
私が振り返ると。
「如月」
「……西城くん?」
ふわりと笑顔で私のすぐ後ろに立ってた。
「西城?やだ、笑顔とかこわっ!」
真弓が心底嫌そうな声で言ってきた。
西城くんも眉間にシワを寄せながら、
「うるせぇ」
……やっぱり、相容れない二人なんだ。
「――どうせ、アレも西城のせいでしょ?」
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