「おはよう。斉藤くん」 手を上げて、笑顔で挨拶してくれた斉藤くん。 私も笑顔で答え、自分の席に着くと、カバンの中身を机に仕舞った。 「なぁ、如月って……」 斉藤くんが、何かを聞きたそうにするから、一旦手を止めて彼を見た。 「……」 余程言いづらいのか、言わないままの彼。 「……どうした」 の?と言う声は ガラガラッ 「――っ間に合ったぁぁぁあ!」 真弓の声にかき消された。 .